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「どう思った？」
わずかに顔がこわばって、緊張しているみたいだった。
「……私に気づいたときの切り替えの早さがすごいなって｣
まずい、慎重に言葉を選ぼうって思ったのに、マヌケな回答をしてしまった。
｢なに、それ｣
神原くんがふっと吹き出す。気が抜けたみたいに。
｢あとはまあ、びっくりしたけど｣
｢失望した？｣
すぐに繰り出された質問に、口がパカッと開く。
思いもよらない言葉だった。
｢失望？なんで？｣
｢……そういうことしないってイメージもたれてそうだと思ったから｣
｢ああ、まあそうだね、イメージはなかったけど｣
｢けど？｣
｢別に失望はしないよ。そんなもんだよねって思うだけだよ｣
神原くんはまた、パチパチと瞬いた。癖なのだろうか。
「……そっか。そんなもんか」
神原くんが息を吐くみたいにそう言うと、ゆっくりと空気が弛緩して、私も息をつく。これでも少し緊張していた。
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