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家族になってから僕は
功太が可愛くて仕方ない。
実際に
おくさんのほうが
稼ぎがかなりあったから
店に立つ日を減らして
僕は育児に没頭した。
ばぱ、だいしゅき
そう言って抱きついてくる
小さな体は
僕が守らないと壊れそうで
頼られることは
何よりの、快感だった。
保育園に預けるたびに
お弁当を作る。
でも
功太は、必ず園の入り口で泣くんだ。
ぱぱ!ぱぱ!
やーだ!
ああ、辛い。
僕だって、離れたくない。
でも、
お仕事しなくちゃね。
後ろを振り返らないように
青山のサロンに通う。
僕はあまりに功太に夢中で
独立の話も
今やどうでも良くなっていた。
それに‥‥
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