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多分、彼のいうことは正しい。前回は媚薬の効果もあったし、犬飼も慣らしていた。今回は素面だし、モノを突っ込むこともそれ以来だ。でも俺は構わなかった。
腰をゆっくりと進めると、すぐにギチギチと無理やり割り開かれる圧迫感と痛みが走る。
「ふ、う、う……」
息を詰まらせながら、生理的に目尻に涙がたまるのを感じる。それでも視線を逸らすのが嫌で、俺は犬飼の辛そうな顔を見ながら腰を下していく。
「ぐ、う、う」
長い時間をかけてようやく全てを腹に飲み込むと、深い息を吐いた。
ずっと欲しかったはずの後肛の圧迫感は、望んでいたはずなのに記憶の中よりもずっと大きく苦しくて、痛い。
「ん、うう……」
完全に萎えた自分自身を扱くことで、楔を飲み込んだ痛みから気をそらそうとする。
多分切れたんだろう。刺すような痛みに顔をしかめながら、それでも腰を動かし始めた。
「う……、はあ、は、う、うう」
動くたびにギチギチと粘膜が酷く擦れて、激痛が走る。
きっと犬飼も同じく多少なり痛みを感じていて、けれど俺の中に埋まった彼のそれは硬さを失わない。その事実がなんだか笑えた。
(ああ、痛いな。いてぇ……なんでこんなにどこもかしこも痛いんだろ)
体中痛いのに、それでも俺はまだ進んで腰を振ることで生まれる痛みを求めていた。
傷つけるだけのセックスをした。セックスとも呼べないものかもしれない。
犬飼を受け入れる痛みが増すほど、胸の痛みが消えていくような気がして、ひたすらに腰を振り自分を扱いた。
次第に後肛が馴染み、どちらのものかもわからない粘液で潤み始める。
二人が絶頂するのは、前と違って随分時間がかかった。俺の体力は限界で、最後のほうは、ほとんど下から突き上げられるようにして絶頂しながら意識を飛ばした。
痛くて、気持ちよくて、けれど満たされない。
(なんか、虚しい)
ぼんやりとする意識の中で、頬を撫でる犬飼の体温を感じる。
「カナタくん……ごめんね」
その後悔した声音にさえ胸が締めつけられるようで、俺は多分、涙を流した。
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