3、

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3、

.  翌週になって、最近は忙しかったせいだろう、久しぶりに飲み会の誘いが来た。犬飼の夕飯が気にかかったけれど、新しく入った社員の歓迎会と銘打たれては出ないわけにもいかない。  渋々参加すると絡み酒の井上やそのゴマスリたちは、俺より一つ年下の新人女子社員にデレデレしていた。俺と同じ軽量トラックのドライバーだが、ファストフードのレジ店員みたいな高校生くらいに見える童顔の笑顔がキラキラしてる今時っぽい女の子だ。 「へえ? 美和ちゃんはさあ、彼氏とかいるの? あ、これセクハラか? あははは」 「いないんですよおー。私ってえ、尽くすタイプじゃないですかあ。誰かいい人いませんかあ?」  少し離れた席に座る俺と西沢は、彼女に視線をやりながら黙々と食べていた。井上の目がない所なので虚勢を張らずにウーロン茶を飲む。 「すげーな」 「長崎見た?」 「見てる。おっぱいデケェ」 「そこかよ」  話を真剣に聞いているふりをして盗み見るのは得意だ。笑うたびにゆさゆさとおっぱいが揺れる。俺が最近ずっとお世話になっている画面越しのエロいお姉さんと遜色ない巨乳ぶりだ。周りの奴らの視線もほとんどがそこに集中している。  西沢は呆れながら「違えって」と笑う。 「さっきからあの新人ちゃん、お前のことすげー見てね?」 「え。まじかよ。見てんのばれたかな」 「じゃなくてさあ。実はルート案内で最近俺と同乗してるんだけど、お前に彼女いないのか聞かれてさー」 「……まじ?」  突然の話に俺はつい浮かれてしまう。  確かに彼女を作る気にはならなかったが、好かれるのはまた別次元の話だ。素直に嬉しい。  しかし西沢は意地の悪い笑みを浮かべた。 「彼女はいないけど、お前今おっさんのペット生活だろ? 一瞬なんて言おうか悩んだよなー」  おっさんのペット生活という響きにゾッとするものを感じるが、反論は出来ない。この前一線を越えてしまったから、もう完全にペット生活だ。 「まあでも彼女出来たらそっち優先だよな」 「ああ、……うん」  西沢も飛躍しすぎな気がするけれど、確かに今俺に彼女が出来たら、犬飼との約束はどうなるのか。 (……なくなる?)
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