弱音。

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彼女の友達がみんな帰ったあと僕は、彼女から意外な言葉を聞いた。 意外すぎてびっくりした。 「窓の外の世界はあんなにも広くて楽しくてまた戻りたくて、なのにさ私は一生この小さい小さい窓から出ることもできない。」 そう。本当に小さい声で呟いていた。 僕はびっくりしたと同時に色々なことを察した。 まずは彼女の病気は治らないこと。 それから、弱音は誰にも聞こえないようにそっと吐く。何事もなかった事のように なぜか僕は虚しくなって気づいたらこう、言っていた。 「那月。」 あっ、っと思ったがそれはもう遅かった。 2人のベットを区切るカーテンがザッート開き彼女は万遍の笑みでニヤニヤしてこっちを見ていた。 「今!!私のこと名前で呼んだ!?」 「呼んでない。」 「呼んだよね?那月。って!!!」 「うるさい。」 さっきの悲しげな 「那月」はもうどこにもいなかった。 いつものお調子者の那月に戻っていた。 この、彼女の弱音からもしかしたら僕達の運命が動き出したんだろう。
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