2話 とにかく何とかする女子中学生たち

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■柏原桃花のひとりごと  わたしは、柏原桃花、14歳。ちゃきちゃきの江戸っ子です。でも、お父さんが地方へ転勤することが多くて、小学校の時だって、東京、仙台、佐賀、と来て、現在室山県。中学二年生から転校してきた。最初は、この室山ののんびりペースについて行けなくて、でも、どうしても友達が欲しくて、今では、学級委員長の美月ちゃんと、電器屋の梨音ちゃんと仲良し。 共通点……そうだね、三人とも、性格がさっぱりしているところかな。サバサバしてるよ。江戸っ子気質に似ている何かを感じる。女の子特有の陰湿さがなかった。なので、なかなかクラスに馴染めなかったわたしと友達になってくれた。なので、ふたりには、とても感謝しています。いじめられそうになった時にも、声を張り上げて助けてくれた。 梨音ちゃんに、敷島女子高校のパンフレットをあげたら、「うわー、この学校、制服がかっこ可愛い」って言ってた。美月ちゃんは、「えー、女子高かよ、マジでー」とか引かれたけど、まんざらでもないみたい。何せ負けず嫌いだから、「難関校でも受かってみせるよ」と啖呵を切ってくれた。私たちが貨物なら、美月ちゃんは機関車か何かだよね。ぐいぐい引っ張ってくれる。 ずっと、友達でいようね、って誓い合った仲間だから、問題ないよね。って、あれ? 美月ちゃんから携帯が……。 「もしもしー?」 『桃花か。夏期講習の教材、一緒に見ないか?』 「うんうん、行く、行くー」 『問題は、梨音なんだが……』 「なんか、お遊びになっちゃいそうだよね」 『言えてるー』 「まあ、梨音ちゃんには、それとはなくメール入れておくよ」 『来るものは拒まず、だな、いちおう友達だし』 「そうだね」 『じゃあ、わたしん家で待ってるから、急げよー。五教科の教科書とノート持って、集合だ!』 「うん、わかった、今から行くー」
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