4人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
最近巷を賑わしている男。
その名は『ハナミズキ』。
その男は花粉症の時期にどこからともなく現れる。
ねらった獲物を仕留めると代わりに、ハナミズキの花を一つ置いていく。
その男は、花粉症で鼻が緩くなっている人間を好んで狙う。
マスクをつけ、鼻をずるずるとすすっていると突如として現れる男。
マスクをひっぺがし、鼻の穴に口をくっつけ、じゅるっと吸いだす。
そう、まだ鼻がかめない小さい子供に対して親がするように。
そう、お菓子のコロンの中のクリームだけを吸いだすように。
一気に吸いだす。
ハナミズキは口に入ったそれをもごつきながら笑顔を浮かべてハナミズキを渡す。
その男の名は『鼻水鬼』
最初のコメントを投稿しよう!