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渡辺「それと、 実を言うとな。すでに本多たちは 庄内創絹協会と言う組織を設立してあちこちに出資を募っているのだ。それから」
と、声を潜める。
渡辺「私の知り合いにも出資を呼びかけられている者がいる。困ったこと彼はかなり乗り気なのだ。 あまりおおっぴらにインチキを暴くと彼にも恥をかかせることになる。そこで内密に頼める君にお願いするのだ」
柳原「わかりました。及ばずながら全力を尽くします」
渡辺「よろしく頼む」
〇 長谷川の家・中
長谷川「いやー、確かにこの目で見たんですよ。 わらを鍋に入れて水と何かの薬と一緒にいると白いふわふわの糸の塊に変わったんで。調べてみましたが、確かに本物の絹でした」
柳原「どんな薬か話しましたか」
長谷川「いやそれは極秘だということで、教えてもらっておりません」
柳原「その薬の値段というのを聞いていますか」
長谷川「いいえ」
柳原「もちろんどうやって作るかも聞いていませんよね」
長谷川「はい」
柳原「工場の建設はもう始まっていますか」
長谷川「 まだですけれども、資金はかなり集まっています」
柳原 「必要なのは水と藁と、その薬だけなんですね」
長谷川「へえ」
柳原「つまり、それほど大掛かりな設備は必ずしも必要ではないわけだ」
長谷川「まあそうですが」
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