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中に入る。
一条はスーツ姿だが、位が高い山川の方が遠慮して頭を下げて先導するような態度をとる。
〇 見世物小屋・中
怪しげな出し物が展開している。
大蛇を身体に巻いている半裸の女―これも冒頭で巫女として現れた長尾千鶴子。
見ている三人の軍人(技官だが)。
座席はなく、客は全員立ち見。
当惑している柳原。
千鶴子、踊りを終え、さらに小さな蛇を出してくる。
蛇を頭から飲んでいく。
飲んだ先は下ではなく、上の方に向ける。
やがて、鼻の孔から蛇の頭が出てくる。
その出てきた蛇の頭をつかんで、口と鼻の間に通った通路をごしごしこする。
柳原、こういうゲテモノは見慣れていないのか、肝を潰す。
山川はひどく喜んだ調子で見ている。
蛇を改めて引きずり出し、全体を客席に見せる。
固唾を呑む観客たち。
千鶴子、蛇の頭を食いちぎる。
柳原、腰を抜かしそうになる。
千鶴子、食いちぎった頭を舞台の袖にぷっと吹いて捨て、残りの胴体を客席に投げ込む。
わあっとむしろ楽しそうに逃げ惑う客たち。
郁子「はい、この出し物はこれでおしまい、次のお客様に場所を譲ってください」
混乱の中、さらに入ってきた客に押されて、押し出されてしまう柳原たち。
〇 同・外
出てくる柳原たち。
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