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兄。
みゆさんには1つ歳の離れた兄がおります。
小さい頃から体も大きく、正義感のかたまりの様な兄でしたので、友達がいじめられていると聞くと、走って行って、いじめっ子をやっつける。そんな兄でした。
父が野球チームのコーチをしていた事もあり、小学1年生の頃から野球チームに入り、父から野球を叩き込まれておりました。
そして、突如の父の死。
兄は父の遺志を引き継いで、野球の道に突き進んでいきました。
学校生活では容姿が良く、運動神経が良く、兄貴肌の兄。
かなりモテていましたねっ(笑)
アイドルの誰々に似ているとかっ(笑)
家に一度テレビ局から電話がかかってきて、その当時カッコいい男の子を紹介する番組がありました。
何処からか、兄の事を聞きつけたらしく
「テレビで紹介させていただけませんか?」との内容っ(笑)
兄は全く興味なかったので、あっさり断っていましたけどねっ(笑)
高校生になると、みゆさんは違う高校だったので聞いた話しなのですが
「勇吾様」と女子から呼ばれていたらしいですっ(笑)
高校野球の北海道大会では、兄はピッチャーで四番です。そしてこの容姿です。
応援しに来ている同じ学校の女子からは
「勇吾様ーーーっっっ!!」と
ひときわ黄色い声援を受け、北海道大会の決勝戦まで昇り詰めていきました。
その頃のみゆさんは、
「勇吾の妹」です。
中学生の頃は、勇吾の妹を見に来る兄の友達が多く
みゆさんを見に来て
「どうだった?」
「普通。。。」
聞こえてるって!!(汗)とみゆさんは思いながら学校生活を送っていました。
同じ学年でも、兄にファンが多く
「勇吾くんのネームプレートをちょうだい」とか
ぼたんをちょうだい。とか。。。。。
みゆさんは兄のマネージャーでもなんでもないのに、兄の事での頼まれ事が多かったなぁ。
学校では完全に「勇吾の妹」です。友達ですら兄の話になるので、やっぱり勇吾の妹の友達なのです。
実際、みゆさんもそんな兄に優越感はもっていました。兄がいたおかげで、隅っこでも兄の光に入っていたのでね。
でも、ここでもやっぱり「自分」はありません。
家では「お姉ちゃん」。
学校では「勇吾の妹」なのです。
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