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妹。
妹(由美)は赤ちゃんの頃からみゆさんとの関わりが深く、みゆさんの体の一部のような存在で、常にみゆさんと由美は寄り添って日々を過ごしていました。
由美が小学校に入学したくらいから、由美自身の世界が広がって行き、みゆさんからどんどん離れて行きました。
由美が小学4年生の時にバスケット部に入部し、元々感の良い妹でしたので、バスケットでめきめきと頭角を示し、中学生になった時には北海道の選抜メンバーになり、全国大会に出場する様になりました。
みゆさんは、その頃にはもう就職し、車も運転していましたので、札幌で行われる試合には母を車に乗せ、方々の試合会場に足を運び、妹の勇姿を喜びながら試合を観戦していました。
これだけ活躍していましたので、高校もバスケットの強豪高校に推薦で入学し、高校3年生の頃にはキャプテンとしてみんなを引っ張り、何と全国大会に出場するまでとなりました。
みゆさんも嬉しかったですねっ。
あんなに小さく、泣き虫だった赤ちゃんが、
キャプテンとして、悩みながらも部員みんなの事を考えながら行動し、先頭切って試合に臨んでいる姿を見ていて
みゆさんもまだ若いのですけどね(笑)
「大きくなったな。。。」
と妹の成長する姿を見ていました。
そう。。嬉しのです。。
嬉しいのですが。。。寂しさと空虚さの方が心に広がり、
その時の「自分」は
「由美ちゃんのお姉ちゃん」なのです。
みゆさんの手から離れてしまった由美ちゃんの。。
お姉ちゃんなのです。。
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