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深い傷。
前章の通り兄も妹も、いつもどこにいても光り輝き脚光を浴びる存在でいました。
その輝きの中には、2人の苦悩や努力もあった事は、見てきたみゆさんもわかっているのですが、
それでもみゆさんはその輝きに。。。嫉妬。。。。していました。
母が知り合いとお話しする時、決まって兄と妹の話題が出てきます。みゆさんの事は
「お姉ちゃんは、家の事を。。。ねっ」
これのみです。
わかっています。本当にこれしかない事は。
兄や妹の活躍には到底及ばない。だけれど、みゆさんには好きな事をする時間は無かったのです。
父が亡くなってから、小さいながらも必死に育児や家事をし、それはみゆさんがやらないと母がもっと大変になってしまう。
そう子供心に思い、一生懸命生活してきた「家の事」なのです。
小さい頃からお母さんっ子で
大好きで大好きで大好きで。。。。
その大好きな母の話には、みゆさんと言う「自分」は出てきません。
今まで頑張ってしてきた事が、バラバラと崩れ落ちてしまい、
大好きであった母が、相対してみゆさんの心の
大きな。大きな。大きな。
傷になって行きました。。。
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