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「これから毎日弁当を届けます、いいですね?」 「──はい」 有無を言わさぬ言い方だったが、密かにこの男との関係が出来たことが、莉子には嬉しかった。 * それから四日後の、それは昼間の事だった。 インターフォンが鳴る。莉子の家のそれが鳴るのは宅配か両親が訪ねて来るくらいだったが、最近は夜には藤堂と言う男が来る事ですっかり緊張がなくなっていたが。 リビングに向かう間に、昼日中、そして特に発注したものもないのに来客だと思い直し、少し嫌な気持ちを呼び起こす。香子か、香子が所属する事務所の誰かだろうかと思えたからだ。 だがモニターを見て安堵する、藤堂だった。 (こんな時間に……?) それでも受話器を取って「すぐ行きます」と応えて、返事は聞かずに玄関へ向かった。 ドアを開けると、藤堂は笑顔で立っていた。 「今日はランチです、お店が休みなので」 「ああ、そうなんですね」 「どうぞ」 藤堂が当たり前のように差し出した弁当を見る、いつもの使い捨ての箱ではなく大きめのタッパーだった。 「そんな。なのにわざわざ……」 莉子は恐縮しながらも受け取る。 「言ったでしょう、あなたに弁当を届けると」 「あの、嬉しいですけど……藤堂さんもお忙しいんでしょ?」     
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