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深碧
この碧玉はあなたのものよ。
深碧のそれを、母は私の掌に握らせた。
行きなさい。
背中を押され、その場に転んだ。膝から血が出て、泣きそうになるのを堪える。
母がそんな私を蹴飛ばすと、私の身体はズルズルと山のの下の方へと転がっていった。
全身を打ち付けて、呻いた。
暫くすると私の身体は止まった。その時には全身血塗れだった。
いつも優しい母が、どうしてこんな事をするのか、私には理由が分からなかった。
ただ、もう二度と母に会えないのだと、
それだけは分かった。
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