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2日後…
前王と皇太后の処刑の日。
皇太后は侍女を連れて逃げようとしていたのを捕えた。
今は牢に繋がれている。
やっと此処まで来た。
王座を撫で、そこに座る。
此処は私の場所だ。私が生まれた時からそう定められていた。
女として、姫として隠すように育てられてきたのも、
母上様が自分を犠牲にしてまで私を刺客から逃したのも、
反王派を集めて組織したのも、
今日、兄と義理の母を殺すのも、
全て、この冷たい椅子に座るためだった。
くだらない
そう呟く声に、力は入らない。
真藍、処刑の時間だ。広間へ来い。
私が王になっても、二人しかいないときは変わらずに振る舞う、自らの右腕に苦笑する。
五年の間、私を支えたのは彼であった。
大丈夫か?
顔色の悪いであろう私を心配しているのだろう。
大丈夫だ。
一言応えるが、彼は信じていないようだ。
行かなければならない。私が逃げるわけにはいかない。
此処で逃げれば、諸侯に示しがつかない。私は、王なのだから。
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