深碧

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重い身体を引きずって、王座から遠ざかり、処刑が行われる街の広間へと駕籠で向かう。 以前のように馬で駆けたいが、王となった身では、それは叶わない。 いつ命が狙われてもおかしくはないからだ。 私が広間の一番高い席に着くと、王太后が引き摺られてきた。 幼い頃の記憶では、美しかった筈のその顔が、醜く歪んでいた。 訳の分からないことを喚くその女は、もう王族でも何でもなかった。 栄華を極めたとて、このように終わることもあるのか。ならば人が栄華を求めるのは何故なのだろう。永遠の栄華はなく、いつか終わるものであるというのに。 何か言いたいことは? 哀れな女に向けた、最後の言葉だった。 呪ってやる!!お前も!私に味方しなかった諸侯も!愚かな民衆も! 最後くらい、王家のものらしくいて欲しいものだ。どこか冷めた気持ちでそれを見つめた。このように喚いて、恥ずかしくないのだろうか。 民衆の方から石が投げられた。女の額に当たり、赤い線を作る。 やめよ。 溜息を吐いて、私から大臣へと書簡を渡し、大臣が処刑人へとまた渡す。 女はまだ喚いているが、処刑人の補佐数名が抑えているため、身動きが取れない。 第10代国王、真濤王が貴妃、嫩妃(ドンヒ)は貴妃ながら、王妃、静妃を暗殺し、皇太后として暗躍し、第11代国王、真旻の治世を乱した。この罪は重く、臣民に与えた苦しみは計り知れない。よって、第12代国王、真藍が彼の者に毒を与える。 処刑人の滔々とした声が、静かに響いた。 本来ならば、此処で諦め、せめて見苦しくないよう毒を大人しく煽るのだが、この女は毒を飲む気はないらしい。 毒杯を目の前にしてもまだ暴れる女を見て、補佐人が無理矢理口を開かせ、処刑人がその口に毒を流し込む。 女が苦しみながら呪詛を口にし、そして息絶えた。 女の死体が片付けられ、王が………いや、前王真旻が連れて来られる。
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