ギネの暴君 その2 そして彼は戻らなかった

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「何やってる、麻酔科ぁーっ! バッキングしてんじゃねぇかよ! まだ手術中だぞっ!」 ついに来た! 宮本准教授の洗礼が。 「おい、麻酔科、筋肉が硬ぇんだよ。腸が動いてるじゃねぇか。早くしろっ!」 私は即座に麻酔を深くした。 「麻酔がアホだと、手術ができねぇんだよ、ったく……」 宮本准教授が大声で独り言を言いながら、縫合していった。悔しいが、今回は私のミスだった。嵐のような手術は終了した。暴君、恐るべし。そして、その日を最後に、あのA先輩は二度と病院に現れなかった。 (つづく)
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