6人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
「何やってる、麻酔科ぁーっ! バッキングしてんじゃねぇかよ! まだ手術中だぞっ!」
ついに来た! 宮本准教授の洗礼が。
「おい、麻酔科、筋肉が硬ぇんだよ。腸が動いてるじゃねぇか。早くしろっ!」
私は即座に麻酔を深くした。
「麻酔がアホだと、手術ができねぇんだよ、ったく……」
宮本准教授が大声で独り言を言いながら、縫合していった。悔しいが、今回は私のミスだった。嵐のような手術は終了した。暴君、恐るべし。そして、その日を最後に、あのA先輩は二度と病院に現れなかった。
(つづく)
最初のコメントを投稿しよう!