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(どうしよう。学食に行けばなにかしらあるだろうけど)
以前に訪れたとき一目見ただけできびすを返したほど、わたしは学食が苦手だった。
大きなテーブルの両側に椅子がずらり。そこに、仲のいいもの同士が塊になって座る。
あいてる場所もあるけれど、それが端っこでも真ん中あたりでも、ひとりぼっちにはつらい環境。教室でひっそりパンをかじってるほうが何倍も、肩身がせまくない。
学食はいやだ。かといって、なにも食べないわけにはいかない。5限には体育がある、絶対にお腹がもたない。おやつ用に持ってきたグミを食べようか。ごはん感はないけど、ないよりましだ。
先輩はチョココロネを買っていたことがあった。なので甘いものは嫌いじゃないはずだし、鬼甘といえど食べられないこともないはず。
それに、わたしと同類だろうから学食に行くのは考えられなかった。
だからてっきり買っていくのだろうと譲る気でいたら、予想に反して先輩は、おばちゃん会釈してぷいとその場を離れた。
「そうかい。お嬢ちゃんはどうする?」
無理しなくていいよ、と言わんばかりに眉をさげたおばちゃんに代金を支払う。
鬼甘を手にしたわたしは、急いで先輩のあとを追った。このままじゃ先輩がお昼なしになってしまうと思いこんで。
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