牛乳に相談だ

「えーっとたしか15㎝くらいの差が理想なんだっけ？だとすると私が155㎝だから理想の彼氏は170㎝くらいか。170なら普通にいるけど……森下君は大変だね。沙耶香相手だと180㎝近くにならないといけないのか」
「な、なんで私！？森下君は関係ないし別にそんなキスシーンに憧れないし！」
　身長が165㎝ある先輩は急に話を振られて慌てている。
「えー！なんでー！？って……」
　近づいてくる僕に気づいたのか、先輩の1人がちらっと僕のことを見た。
「なんでって……別にそんなの……あ、森下君どうかした？」
　先輩の目線と同じ位置から見つめていると「なに？」と瞳で問い掛けられる。
「いえ……なんでもないです」
　僕は言おうと思った言葉を飲み込んで踵を返して更衣室へと向かった。