1人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
不満そうな顔を僕にぶつけてくる。
「移転したんだよ。でもそんな遠くじゃないからこのまま歩いて行こう」
僕はカンナと手をつなぎ、二人で歩き出した。
「きいてない」
カンナは頬を膨らませる。
「そっか、ごめんね」
「きいてないんだけど」
カンナは顔をきょろきょろさせた。マックを探しているに違いない。
「ほんと好きだよね、マック」
「うん、だいすき」
途端に仏頂面だったカンナが笑顔になった。ニコニコしながらつないだ手を大きく振る。
僕もそれに負けじとつないだ手を振り返した。
交差点の角を曲がったところで、移転したマックはすぐに見つかった。
カンナは一人走り出すと、お店の前で中をのぞきこみ僕を手招きする。
「はやくはやく」
そんなカンナのしぐさがおかしく、僕は笑いながらカンナと合流した。
二人でお店に入りさっそく注文する。
カンナはメニューをじーっと見ていたかと思うと、ビックマックとナゲットとポテトLを注文した。
「相変わらずよく食べるね」
「だっておなかすいてるんだもん」
カンナは出てきたトレイを受け取るなり空いてる席を見つけ、僕を待たずビックマックを食べ始めた。
一心不乱にパクついている。
最初のコメントを投稿しよう!