宿り木

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不満そうな顔を僕にぶつけてくる。 「移転したんだよ。でもそんな遠くじゃないからこのまま歩いて行こう」 僕はカンナと手をつなぎ、二人で歩き出した。 「きいてない」 カンナは頬を膨らませる。 「そっか、ごめんね」 「きいてないんだけど」 カンナは顔をきょろきょろさせた。マックを探しているに違いない。 「ほんと好きだよね、マック」 「うん、だいすき」 途端に仏頂面だったカンナが笑顔になった。ニコニコしながらつないだ手を大きく振る。 僕もそれに負けじとつないだ手を振り返した。 交差点の角を曲がったところで、移転したマックはすぐに見つかった。 カンナは一人走り出すと、お店の前で中をのぞきこみ僕を手招きする。 「はやくはやく」 そんなカンナのしぐさがおかしく、僕は笑いながらカンナと合流した。 二人でお店に入りさっそく注文する。 カンナはメニューをじーっと見ていたかと思うと、ビックマックとナゲットとポテトLを注文した。 「相変わらずよく食べるね」 「だっておなかすいてるんだもん」 カンナは出てきたトレイを受け取るなり空いてる席を見つけ、僕を待たずビックマックを食べ始めた。 一心不乱にパクついている。     
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