プロローグ

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うちの親は何でこんなに仲が悪いのか……。 なぜいつも言い争っているのか。 一緒にご飯を食べたりテレビを見たり、そんなのは遠い思い出の中に 微かに残る記憶……。 いつからだろう、三人でご飯を食べなくなったのは。 いつのことだろう、笑って会話をしたのは。 小さい頃から同じ事を繰り返し考えた……。 小学校へ上がると両親の仲はますます冷え 父さんは仕事を理由に家を空けることが多くなった。 俺の事は母さんに任せきりで 母さんは 逃げ場がなくて……。 俺が3年に上がる頃、逃げ場を求めて働きに出るようになった。 小学4年。 俺の知らない所で、両親は本格的に離婚話しをはじめていた。 母さんが勤めに出るようになり、二人は今まで以上に忙しく 尚更 俺に構っていられなくなった。 家族でどこかへ出かけたのだっていつの話だったか……。 最後に行った場所がどこだったかさえ思い出せない。 「あなたが引き取ってどう育てるって言うんですか?」 「お前だって同じだろう! 母親らしいことは一つもしていないじゃないか!!」 二人にとって 俺はどんな存在だろう……。 かけがえのない? 命に代えても? 俺のためなら? 世の中の大人は? 子を持つ親達は……? 愛されるって どういう事だろう。    
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