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「ご馳走様。すげー美味かった! また頼む」
「残念な事に、誕生日は一年に一度だけです」
「本当、冷めてんな」
「それ口癖になってますよ!」
作ってあげられるものならそうしたい……
男の人の一人暮らしなんて何を食べてるか分からない
お父さんと一緒に住んでた時でもきっと外食ばかりだったはずだから……
「お前、料理上手だよな!」
「それはどうも」
こう見えて苦労したから、充分
語ってあげようかしら?
「さすがに小さい頃から自炊してるだけの事あるわ」
それはそれは、聞くも涙のものがた
り……
え?
「なぜ知ってるんですか?」
「あ? お前が自分で話したろ?
それよかさ~、いい加減敬語やめろよ! 俺が歳上みたいじゃん」
「無理ですね!」
「何でだよ! とっくに誕生日来たんならお前の方が姉ちゃんじゃん」
姉ちゃんって……。
「そう簡単には変えられません」
誤魔化した?
言うはずない!
私が自分の事をほかの人に話すなんて有り得ない……
私に興味を持って調べた?
そんなわけ無い!
ひなた、舞い上がっちゃダメ!!
しっかりしなさい!!
地に足をつけて、現実を見て!
遥先輩を好きな彼が ツイストに赤メガネの地味な私に興味をもつわけ無いじゃない!!
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