二人の場所

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彼のために作ったお弁当はお米一粒残さず食べられていて、親御さんの躾が良かったのだなと思った 食べる前にはちゃんと“いただきます“と言って手を合わせ、お箸を使う指がとてもきれいでため息が漏れた…… 重症だ!! 午後の始まりを知らせる第一オルゴールが流れ緊張とドキドキの幸せな時間は終わった 廊下の軋む旧校舎を逆に辿って教室に戻る私とは違って クラスの違う高槻楓音は屋上を降りてそのまま新校舎に入る 結局足の長さじゃなく距離の問題じゃない! そう言えば 彼はどうして私が小さい頃から自炊してる事知ってたんだろう…… 母が亡くなって父と奮闘したのは小学生 高槻楓音は隣町の小・中学校で私とはまったく接点がない それに、私は京香以外に自分の事を話さない。 もちろん 京香だって私の話しは絶対に人に喋ったりしない だから尚更彼の言葉が気になった……
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