二人の場所

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今日は久し振りに父の好物の角煮を作る! 母の作る角煮が私達はとても好きだった。 いろんな本を見て いくら試してもなかなか母の味に近付くことは出来なかったけど、それでも充分美味しく作れるようになった。 明日 高槻楓音にもおすそ分けしてあげようかな? って、誕生日は終わったんだからもう彼にお弁当を作る理由はない 「ただいま! もしかして角煮か?」 「さすがお父さん!! もうすぐ出来るから先にお風呂どうぞ」 「分かった」 サラダと卵のスープが出来上がる頃、角煮も上手に出来上がった。 母は欠かさず 一品 手作りの漬物を出してくれた。 きゅうり、新玉ねぎ、カブや大根をそれぞれマリネ風に漬け込んだ物が得意で、私達はそれが大好きだった それらを作る母の姿を 幼い私はいつも見ていた 今日は人参と玉ねぎ、ビーマンを漬けた物にしよう!! 「いただきます」 「召し上がれ」 2人っきりの寂しい夕食もすっかり慣れた。 今では笑って会話も出来るし、元気に楽しく暮らしてるから心配しないでね? お母さん……
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