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『浅乃~、お~い 浅乃ひなた~』
さっきからこいつを呼ぶ先生の声
何を考えているのか、ひなはまったく気付いていない!!
『浅乃、ひなた?』
『はい』
何年か振りにまじかで見るひなの顔。
真っ黒な瞳がレンズ越しに俺を捉えた
………ん?
もしかして気付いた?
俺のこと!!
いや 違う
そうじゃない!
気付いたわけではなく
ひなはただ固まっていた……
焦るだろ!
紛らわしいな!!
早く気付けよ!
いつまでも特定の女と会話はしたくない。
他の生徒が気付く前に早く要件を伝えなきゃ!!
『浅乃ひなたさん?
さっきから先生が呼んでるけど?』
その言葉でやっとひなは現実に戻った
『……え』
慌てて俺を押し退け先生の元へ走って行くひな
マジで忘れられてるな
俺!!
あの頃感じた思いは、やっぱり俺だけだったんだと
この時、ようやく気付いた……
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