世界で二番目に

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「怒ってんのはママとちゃうか?」 捨てゼリフのように呟き、とにかく車の来ない細い路地に移動した。 「パパがママに話し掛けたのに、お兄ちゃんたちがケンカ始めちゃって ママに無視されたから拗ねてるんでしょ?」 エルサは得意げにピンとヒゲを立てる。 こまっしゃくれた口の利き方も、冷静に状況を分析しているのも、さすが女子… 「難しいよねー、夫婦って」 小首を傾げ、自分も難しい顔をした。 「そんなん、子どもが気にせんでもええの。ほら、帰るで」 「帰って、いつもみたいに寝ちゃうの?せやから、あかんねん!」 関西出身の僕の言葉が、時々エルサにうつる。 「はいはい。ママもお前らの世話で大変なんやから、パパは黙って寝とくんが」 「今日は〝記念日〟なんでしょ?」
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