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思わず立ち止まった僕に、ニヤリと笑う。
「今日は、パパとママが初めて出会った日なんでしょ?」
「な、何でそれを」
たじろいでしまったのを見逃さず、エルサは更に続けた。
「ママが教えてくれたの!今日は大切な日なのよって」
「そうなんや…」
彼女も ちゃんと覚えていたんだ。
沸騰していた頭が、じわりと冷却されていく。
「ママね、パパに出会えて結婚して、凄く幸せなんだって。いつも感謝してるって。でも、忙しくて恥ずかしくてパパに言えないんだって」
「…」
「だからさ、今日はママとゆっくりお話しして欲しいな。お兄ちゃんたちはエルサが面倒みるから!」
たまにオッパイをせがんで甘えているくせに、急に娘が大きくなった気がした。
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