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「遅くなったな。帰るか」
「うん!」
「エルサ、ありがとな。迎えに来てくれて」
「ホンマやわ。手間の掛かる両親やで」
「お前、関西弁上手くなったなぁ」
「パパの子だもん」
二人で声を出して笑う。
すっかり暗くなり、幾分 熱が和らいだアスファルトの上を歩きながら、独り言のように呟いた。
「パパが人間やったらなぁ、記念日のプレゼントを買って帰れるのに」
「そういえばママ、さっき食べたい物があるって言ってた」
「何やろ?ママ、長いこと 落ち着いて飯も食ってないもんな」
そんな毎日を過ごしている彼女に、思い遣りのある言葉の一つも掛けたことがあったかな?
いつも自分の寂しさや苛立ちばかりを考えていた気がする。
可愛い子どもたちの為に日々奮闘している彼女に、今日こそ感謝の言葉を…
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