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昔からカメラが好きだった。
切っ掛けは父から貰った一眼レフ。
父はまだ小学校低学年の私に「使わないから」という簡単な理由で、両手で持つのがやっとの大きさの黒い塊を首に掛けてくれた。
「これで色んなものを撮りなさい」
その父の言葉に「まだこの子には早いわよ」と呆れて母は言った。しかし、その言葉を無視して、父は私にその黒く重たい塊の使い方を子供の私でも分かるように教えてくれた。
その時からすっかり虜になってしまったのだ。
カメラの向う側の世界にーー。
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