蒼い。

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「ひぃ婆に尻叩かれてやっとやったけどなぁ」  わたしもひ孫も笑います。 そん時もわたしは笑ってしまってました。  そっからです、あんたの少し後ろを歩き始めたのは──あんたの隣を歩き始めたのは。 「──こげん良か天気の日ぃに、河原に座っとるだけでよかったんよ」  あんたはドウナッツ揚げが一等好いとって、かわりばんこに持っていって、夕が少し過ぎるくらいまで一緒して。 他愛ないお喋りが途絶えても、くだらないおふざけが行き過ぎても──。  ──いつまっでん、こげん青か空ん下にあんたとおれたらいいとに、と思っていました。  ひ孫がわたしの背中をさすってきます。 いつの間にかこん子も大きゅうなったもんです。 「ひぃ爺ちゃんてそがん感じやったんやね」  おや? とわたしは笑います。 「ひぃ爺ん事やなかぞ?」
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