第十三作(調味料)

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 あ、香月さんの声ですか、あれ?オミさんですか?どちらでしょう。  「んっ」  とろとろと、粘度のある液体が身体に垂らされています。その身体にまとわりつくその液体を指先で肌に伸ばされているようです。  「香月さ……ん?」  「ん?これ美味しいよ」  美味しい?何の話でしょう。寝ぼけた頭で考えます。これはどういう状況なのでしょうか。誰かの手が身体を……。  手が一、二、三……!三本あります!慌てて飛び起きました。目の前には同じ顔が二つ。身体はなぜかべとべとしています。  「香月さんっ!何をしているのですか?」  「「はい?」」  はい、お約束通り同時に二人答えますね。二人とも何をやっているのですか。  「いや、あんまり気持ちよさそうに寝てたからね。起こすのも可哀想かなと思って。監督が差し入れにバニラアイスと黒みつをくれたんだよね。将生も食べる?」  いえ、その説明は求めていません。身体中がベトベト、ぬるぬるの説明を求めています。  「将生って美味しそうだよなってオミに言われて、ついね?」  ついって、普通人に黒みつはかけませんよね。  「もう汚れついてだし、少し遊ぼうか?」  そ、それはどういう意味でしょうか。香月さん、目がいつもの妖しい色をおびています。     
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