第十三作(調味料)

8/12
1022人が本棚に入れています
本棚に追加
/198ページ
 第六話 <オリーブオイル>  とにかく話を逸らさなくてはいろいろと危機です。  「あ、写真はどうなりました?パッケージ用の写真はもう終わったのですか?」  「もちろん、すっごく可愛い顔のやつが撮れたよ。見てみる?」  見せてもらった写真には、気持ちよさそうに眠っいている僕。……これは完全に寝てますよね?結局、眠った後に撮ったやつにきまったのですね。でしたら、それまでの撮影は何だったのでしょうか。  それにこの写真、何か薄く色のついた液体をまとっています。  「あの……これは何のパッケージですか?」  蝶々だとか、シャクトリ虫だとか、変なものを使って撮影しましたが、こんな色の液体は見覚えありあません。  「新しいラブローションのパッケージだよ」  ナメクジのやつですね、だからかなのですね、身体にキラキラした薄い黄緑色の液体かかっているのですね。  「またこの液体を使ったのですか、だから僕は変な気分に?」  「違うよ使ってないからね、前回ユズが試作品を全て使い切ったでしょう。まだ試作段階だから、渡されたのはあれで全部。それはオリーブオイル、ほらこれ見てキラキラ感があるだろ?」     
/198ページ

最初のコメントを投稿しよう!