第十三作(調味料)

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 ……ふらふらします……くらくらとしています。  そのまま快楽の渦の中にずるずると引き込まれていきます。気持ちがいいのか辛いのかわからないくらい苦しくなりました。開いたままの口からは、言葉にならない声が漏れ続けています。  「兄貴、退いて邪魔」  香月さんの声が聞こえた気がします、ああオミさんがそばで見ているのですね。  敏感になりすぎた感覚の中、つい大きな声が出てしまいました。その声が耳から脳に戻ってきてさらに追い上げられていきます。  意識はいつの間にか深い深い淵の中へと落ちていきました。  「うーん」  伸びをすると、手の先に当たるのはなぜかソファの背もたれです。  「あれ?ここは?」  「将生が意識飛ばしちゃったからね。ぐったりしていて運んでくるの大変だったよ。兄貴に手伝って貰う羽目になったけれど、さすがにあの状態じゃあね」  くくくと笑っていますが香月さん、全てあなたの所為ではありませんか?  いつの間にか体は綺麗になっていました。べとべとするものは無くなりました。きちんと服も着ています。シャツ一枚だけですけれど。次は下も履かせてくださいね、このままじゃお腹下します。     
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