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「あの……さすがに、下着は貸してはいただけないですよね」
声がだんだん小さく力なくなるのは何故でしょう。
「さあ?新しいのあったかなあ?」
くすくす笑いがずっと聞こえています。ああ、からかわれています。その時、インターフォンが鳴りました。これは絶対に香月さんです。「お醤油を借りて来るように」と言われてからもう時間が経ちすぎていますから。
「はい?あ、ユズかな」
ええええっ。先に玄関へ行くのですか?そちらですか?先に僕の下着を、せめて何か下に履かないととんでもない絵面です!
「お、オミさんっ。先に下着っ!下着をくださいっ!」
「どうしようっかなあ……ユズに見られるの嫌?」
「嫌です!」
「じゃあ仕方ない、少し待っていて」
僕の手を引いて寝室のドアを開けると、下着と僕を中に隠してくれました。良かったです!オミさんも優しいところがあるのですね。ほっとしました。
手探りで壁のライトのスイッチを探してつけました。
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