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第七話 <当然.......ふんどし>
オミさんから借りたのか、それとも奪い取ったのかは定かではありませんが、下着と浴衣をもって浴室に逃げ込みました。
内側から鍵をかければ、あの二人も入ってこられないはずです。
「まーさーきーぃ、ここ開けて。浴衣ひとりで着付けられるの?」
ドアの外から香月さんの声がします。
「ユズ、これ越中だろ?やっぱ、六尺じゃないと駄目だな。俺、通り向こうの和装屋に行って買ってくるからさ待っていてよ」
越中?六尺?オミさんが香月さんと仲良く話している時は碌な事にならないのは学習済みです。何の話でしょうか。
あ、「好奇心は猫をも殺す」でした。余計なことに興味を持っては危ないですね。
「大丈夫です。この紐で止めればなんとかなります。あれ?えっと、右が下?で腰紐で縛れば???香月さん!胸元が思いっきり開いてます、何かが変です」
「だから言ったのに。ね?あけてごらん、俺がきちんと着つけてあげるから」
「変なことしませんよね?」
「変な事なんてするわけないだろう?将生、浴衣を独りで着たことないでしょう。正しく着せてあげるだけ」
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