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第二話 <スーツ>
今朝は一体何があったのでしょうか?扉が開くと同時に会ったこともない、見知らぬ男性が突然入ってきました。
「あれ?先客か?」
先客?あ、この学生さんですね、お客様ではありませんが。
ところで、あなたはどちら様でしょうか。明らかにこのアパートには似つかわしくない高そうなスーツを着たビジネスマンです。
「へえ、本当に普段は余り目立たない容姿なんだね。噂は間違ってなかったな」
確かに目立ちませんよ。それが、どうかしましたか?あなたとは違いますが、そんな事を言われる筋合いはございません。そもそも誰なのでしょうか。
「僕が先ですから、出てってくださいよ」
うーん、ややこしくなってきました。何をこの大学生は言っているのでしょう。先?って何の話でしょうか。
「どっちにするのか、それを選ぶのは彼だろう」
そのビジネスマンは、僕を指さして微笑みました。
「ねえ、このガキと俺どっちがいい?」
選択肢の意味がわかりません、何を選ぶんでしょう。薄々気がついてはいますが、認めたくありません。あのDVDをお持ちということは、つまりそちら側が対象の方々ですよね。。
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