第十五作(制服)

4/22
前へ
/198ページ
次へ
第二話 <スーツ>  今朝は一体何があったのでしょうか?扉が開くと同時に会ったこともない、見知らぬ男性が突然入ってきました。  「あれ?先客か?」  先客?あ、この学生さんですね、お客様ではありませんが。  ところで、あなたはどちら様でしょうか。明らかにこのアパートには似つかわしくない高そうなスーツを着たビジネスマンです。  「へえ、本当に普段は余り目立たない容姿なんだね。噂は間違ってなかったな」  確かに目立ちませんよ。それが、どうかしましたか?あなたとは違いますが、そんな事を言われる筋合いはございません。そもそも誰なのでしょうか。  「僕が先ですから、出てってくださいよ」  うーん、ややこしくなってきました。何をこの大学生は言っているのでしょう。先?って何の話でしょうか。  「どっちにするのか、それを選ぶのは彼だろう」  そのビジネスマンは、僕を指さして微笑みました。  「ねえ、このガキと俺どっちがいい?」  選択肢の意味がわかりません、何を選ぶんでしょう。薄々気がついてはいますが、認めたくありません。あのDVDをお持ちということは、つまりそちら側が対象の方々ですよね。。     
/198ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1019人が本棚に入れています
本棚に追加