第十五作(制服)

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 「何してるんですか?僕、大学へ行くので最初にお願いしますね」  「え、今度はレイヤーさん来たの?」  件の学生もビジネスマンも余計な口をはさんできます。  「え?もう先に二人も来てるのね。あなた方、どのくらいかかるかしら?」  時間の問題ではなくて、根本的な問題が違っています。  「あの、みなさん勝手に話を進めるのやめてください。僕はそもそも出会い系の掲示板なんかに書き込みはしていませんから」  これ言っても無駄ですよね、多分無駄です。だって、僕の周りに集まる人って、いつも僕の都合は最後に考える人ばかりですから。  「え?でも、もうここまで来ちゃったんですから、僕としてはどうしてもお相手をお願いしたいですね」  やっぱり、そうですよね。誰も聞いてくれないですよね僕の都合は。それより学生さんこんなところで寄り道は駄目でしょう。まっすぐ大学へ行ってくださいねと心の中で思いました。  ビジネスマンがまるで素晴らしいアイデアを思いついたかのように手をぽんと打つと目を輝かせました。  「そうだ、アミダくじで順番を決めましょう!」     
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