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店長、ドクターが美人だと何が楽しいのでしょうか。僕に告白でもしてくれるのでしょうか。それより早く終わらせて、大学のラウンジで何もしないでぼんやりと好きな妄想で時間をつぶしていた方がましですよ。田中君でも誘って、コーヒー飲んでもいいし。一緒に……ああそういえば田中君は最近彼女が出来と言っていたような気がします。
本格的にひとりぼっちのようです。
ぐるぐるとくだらないことを考えながら歩いていたら、いつの間にか駅の前に着きました。黒いバン?あれ、少し早くないでしょうか。近づくと車の前に立っていた男の人が声をかけてきました。
「マサキさんですか?」
下の名前で呼ばれました。親近感でも売りにした診療所なのでしょう。
「はい、そうです」
「遅かったので逃げられたのかと思いましたよ。みんな待たせてるんだから早く乗ってください」
え、まだ朝の八時です。店長が時間を間違えて伝えたとか、僕が聞き間違えたとか?
……でも健康診断が嫌で逃げる人なんているのでしょうか。
バンに乗り込むと同時に、ドアが閉まり勢いよく走り出しました。連れて行かれたのは少し外れにあるマンション。この中に診療所があるのでしょう。
店長、小さい診療所とは言っていましたが、マンションの中の一室って小さすぎませんか?
「急いてくださいね。もう時間押してるんだから、明るいうちに撮らないと」
明るいうちに撮る。撮る?ああ、レントゲンですか?けれどレントゲン室は外の光入ってきませんよね?どういう事なのでしょう。
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