第八作(夢の国)

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第四話 <メリーゴーランド>   「んあ、そこ……あ、気持ちい……」     やっばり香月さんが一番……え?香月さんが、携帯をこちらに向けています。  「香月さん!何を撮っているのですか?!」  「将生の可愛いところだよ。いつでも見られるようにね。DVD見ても、他の人とシェアしてる気分になるし」  シェアって何ですか?それにこれでは集中できません。うつ伏せならまだしも、今は仰向けで脚は左右に開かれています。  「気にしないでよ、将生はいつものこと。撮られいるでしょう」  いえいえ、これは状況が違います。カメラはいつも意識の外です。いつも香月さんに集中していればいいのですから。今日はその香月さんがカメラマンです。  「将生はこっちに集中しててよ」  体の中で指をぐるりと回されました。腸の内壁がねじれるような引っ張られるような感覚に「ぁあ…あっ」と、声が出ました。  「そう、いい子だね。もっと可愛い顔見せてよ」  見せたくなくても、見られていますよね。不可抗力です。  「ど、どこをアップで撮ってるんですか」  携帯が香月さんの指が出入りしてするところを映しているようです。  「ん?かわいいところ」  そう言いながらも気持ちの良さに流されて、脚を開いたままの僕。ぐちゅっと音がして、頭がクラクラしています。  もういいですね。香月さん喜んでるし、楽しそうに遊んでくれているし。  「ねえ、何のアトラクションが好き?」  今ですか?何で今ですか?この状況だと騎乗位もいいですね。ええ、馬で、乗せてください。もう頭の中はすでに夢の国。  アトラクション……  「メリーゴーランド……」  声に出てしまいました、意味が違います。  「そう?じゃあ後で行こうね」  もう「イこうね」としか聞こえません。
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