三章 高校生活ではありえなかったよ

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そう言うと彼女はは馬の毛並みを撫で始めた。 馬はとても気持ちよさそうにしている。 彼女の手つきからは爺ちゃんが毛量が少ない人のシャンプーをしている手の動きが思い出された。 「これなら俺にもできそうです。」 最初はぎこちなかったが散髪屋の遺伝子を継いでいるせいか職人のような手つきになっていた。 「あんた、中々やるじゃない。名前って何だっけ?」 「池田純哉です。池ちゃんって呼んで下さい。」 目を合わせなければある程度だけ話せれるようになっていた。 「じゃあ、池ちゃん。そのジテンシャに乗ってみなさい。あなたが愛情を与えた分だけジテンシャは答えてくれるはずよ。ちなみにその子の名前はベルよ。」 「ベルちゃんか……。」 過去の思い出に浸ろうとボーーとしていると、急に腕を掴まれて、ベルと一緒に街の中を引っ張られる。 「とっとと練習しに行きましょう。」 そう言うとソルディアはどんどん進んでいく。俺は、引きづられながら、街の景色を見ていた。 街に来た時には、寝ていたので初めて見る異世界の街の風景だった。 多くの建物は石や木で作られていた。 市場のようなものがあり、とても活気があった。 じっくり街を見てみたいなと思っていると門が見えてきた。
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