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前を向いて何とか再度騎乗を試みる。
しかし、身体の一部がジテンシャに当たるだけで弾き返される。
その動きを繰り返していると、突然背後からソルディアの声がした。
「前よー前。避けてーお願い。」
頭を上げて、前を見ると、あと5メートルくらいのところに草の中に屈んで何かをしている人が居た。
「うわぁぁもうだめだ。ごめんちゃい。」
ベルの鍛えた足が、軟弱な人を踏みつける。
バキッバキッと骨が砕ける音がした。
人を踏みつけてすぐに、ベルは止まった。
急いで飛び降りて、駆けつける。
男の側には、小瓶や丼ぶり程のサイズのすり鉢があった。口からは少し血が出ていた。
それを見ていると、ソルディアが走ってきた。
「すいません。うちの者が迷惑をかけてしまって……お身体は大丈夫でしょうか?」
「こっちは骨が折れて居るんですよ。このままだと肺に骨が刺さるかもしれない。大丈夫なわけ無いじゃ無いですか。早く医者に連れて行ってくれよ。」
男は額に汗を浮かべながら、自身の症状を訴える。
「そっか……。」
そう一言呟くと、ソルディアはベルの方に向かった。
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