三章 高校生活ではありえなかったよ

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「何してんだよ。応急処置をしろよ。俺を誰だと思ってんだよ。Eランク冒険者で調薬師の大島翔さんだぞ。俺の作った薬が世の中を救うんだぞ。こんな仕打ち許さねーからな。」 まだ、助けないとも言ってないのに口調をガラリと変えてまくし立てる。 俺は、全てソルディアに任せることにした。 ソルディアは優雅に風に髪をなびかせながら、ベルに乗って近付いてきた。 「さぁ帰りましょ。今日はここまでね。今日は街の散策でもしましょうよ。明日は、下半身を鍛えることから始めましょ。」 何事も無かったかのように、帰ろうとしていた。 「この男の人はどうするんですか?」 「そいつは人ではないわ。恐らく人に化けたヒトギンチャクと言う生き物でしょう。変身が解けるから、焦っているというところね。」 男の姿が変わっていく、身長が高くなったり低くなったりする。道理で顔や形が表現できないはずだ。 ヒトギンチャクは、くっと言いながら草の中へ潜り込んでいった。 ソルディアはそれを見届けると、 「変ね。ここら辺では、ヒトギンチャクはほとんどいないはずなんだけど。」と言うと、ベルの上に俺を乗せてくれた。 池ちゃんの家にゲームはなく、一切ゲームをした事が無かったので、さっきのはモンスターだなどとは、思わず初めて見る生き物として受け入れた。 「ありがとうございます。あのっそのっどこを掴めばいいんですか?」 高校生活でも、ほとんど女子と喋ったことのない純哉が目の前の女体への対応が分かるわけが無かった。
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