4章 ついに起きてしまったか

2/13
前へ
/30ページ
次へ
よく考えてみると、ソルディアの言った通りだった。 【異世界=安易に冒険者】という図式が馬鹿馬鹿しく感じてしまった。 それと同時に、ジテンシャの仕事を全力で頑張ろうと思った。 ギルドの中に入るとたくさんの人がいた。 強そうな装備を付けた人もいたが、多くはほとんど戦闘経験が無さそうな自分と同じくらいの歳に見える若者が多かった。 俺たちに向けられる多くの視線を感じる。 正確にはソルディアに向けられる視線だろう。 ソルディアはそんな事お構い無しにどんどん進んでいく。 やがて部屋の中央に行くと、 「池田って言う人知らない?散髪屋に関連してる職業に就いているはずなんだけど?」 若い冒険者はソルディアの役に立とうと、他の仲間とボソボソと話し出した。 すると、1人の紫色の短髪の男が近づいてきた。 周囲がざわつき始めた。 どうやら、この男は有名人らしい。 「池田という方なら、オルターと言う港町にいると言う話なら聞いた事がありますよ。」 「ありがとうございます。」 2人してお礼をしようと頭を下げかけた時だった。 先ほど踏みつけたはずの男が、紫色の髪の男に近づいて来るのが見えた。 「うっ後ろだ。後、後ろだよー。」
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加