4章 ついに起きてしまったか

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慌てて知らせるが、男はすぐ側まで近付いていた。 何かするのかと思いきや、男は急に目の前で倒れた。 「あんた大丈夫かよ。」 「だっ誰か傷薬もってねーか。」 周囲にいた冒険者達が駆けつけて声をかけたり、手当てをしたりする。 「どうやら騒がしくなりそうなので私はこのまま去るとしましょう。では、縁があればまた会いましょう。」 紫色の髪の男はそう言うと、立ち去って行った。 その姿を見送った後、倒れた男に話を聞くことにした。 「あんた、名前は何?」 ソルディアが優しげな口調で質問する。 「あぁお、俺の名前は大島翔だ。」 「私達の事覚えてないの?」 「すまねぇ記憶が定かじゃないんだ。何かに襲われた所までで記憶が途切れていた。 今まで何をしてたかなんて覚えてない。」 「そうなのね。」 ソルディアは、話を聞くと近くにあった椅子に座り考え事を始めた。 俺は、ただ待っているだけでは、暇なので持ち物の確認でもすることにした。 白い大きな袋を机の上におく。 荷物を降ろすととても肩が軽かった。 「フーー」ため息をついて落ち着いていると、何かに襲われたという男が奥の部屋に運ばれていくのが見えた。     
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