4章 ついに起きてしまったか

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すると、ギルドの従業員らしきポニーテールの女性が近づいてきた。 「何かお飲み物とかいります?」 どうやら、椅子に座って居たので、注文を取りに来たのだろう。 こういう時に頼むものは、決まっている。 「コーヒーをブラックでお願いしますね」 「コーヒーって何ですか?」 従業員は、動きを止めて困ったなという顔をしていた。 「えっえーと、豆の汁の事ですよ」 「わかりました。お持ちいたしますね」 そう言うと従業員は、厨房の方へ戻って行った。どうやら、俺の意図が伝わったらしい。 飲み物が来るまでの間持ち物の確認の続きをすることにした。 机の上に、一つずつ物を出していく。 辞書 我が家の家訓書 先祖の若かりし日の写真集 吹き矢 カスタネット ここら辺くらいまでで俺は、持ち物の確認の手を止めた。 そして、叫んだ。 「ガラクタばっか詰め込んでんじゃねーよ」 あまりの声の大きさに周囲の冒険者の注意はこちらに向いた。 その中でも、ソルディアは、集中して考え事をしているようだった。 そんなソルディアの顔を眺めていると、怒りも治まってきた。 再び荷物を確認しようと白い袋の中に手を突っ込もうとすると、従業員が飲み物を持ってきた。
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