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従業員の女の後ろ姿を見送っていると、先ほどの人は食べないんですよという言葉が気になってしまった。
まさか、俺が人じゃないなんて事はないよなと思い慌てて手を出して見てみる。
やはり、いつも見る肌がそこにはあった。
あの女焦せらせんなよと思いつつ机の上にあった仁希美汁を口にしてしまう。
「うぇぇ/#/&&@&」
再びあの強烈な不味さが、襲ってくる。
1度目よりも2度目の方が強烈だった。
「誰かー誰かー、甘いものが下さい。お願いします。本当にお願いします。」
口の中の苦味やエグミさらには、渋味などをなくそうと必死になって口直しの物を求める。
その姿は、まるでウツボカズラの液体に落ちた虫のようだった。
しばらく、悶えているとゴンッという音がして紫色の液体が入ったコップが目の前に置かれた。
この際、この苦しみから逃れられれば良いやと思い誰が置いてくれたのかもそもそも自分にくれたのかも確認せずに急いで手に取り口に運んだ。
「うっめー何だこれ。美味しいぞ。最初からこれ頼めばよかった。」
先ほどの仁希美汁とは違いとても味わい深かった。
さらには、不味さも消え去っていた。
そこで我に返ってふと顔を上げた。
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