4章 ついに起きてしまったか

8/13
前へ
/30ページ
次へ
「て事は、この街めちゃくちゃやべんじゃねぇか?」 若い冒険者のうちの誰かが言った。 それをきっかけに、冒険者達が口々に喋りだした。 「ヒトギンチャクってもうここにいるかもしれねんだろ。」 「死にたくねぇよ。」 「内側と外側から、ヒトギンチャクに襲われたら、いくら軍の奴らでもやばいんじゃ…。」 「この街もう終わりじゃん。」 あちこちで、様々な憶測が飛び交っていた。 すると、ソルディアが、 「この街はやばいわ。離れた方がいいわ。これを街の皆にもに伝えてちょうだい。」 と言い放った。 若い冒険者達は、逃げ出す理由がなくて酒場に留まっている者が多かったが、ソルディアの言葉を聞くと、それを理由にして散り散りになってギルドから、走り去って行った。 あまりの出来事の早さに開いた口が塞がらなかった。 「これで、この街も終わりか。はーマジチョロ過ぎ。残念だわ。」 突然ソルディアが、人が変わったような言葉を漏らす。 「ソルディアさん?チョロ過ぎってどういう事?」 「おっといけない私とした事が、つい口に出しちまったよ。聞かなかったことにしてね。」 「分かったよ、ソルディア。お互いに聞かれたくない事の一つや二つあるもんね。」     
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加