パンデミック

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その日、季節は春、テキサス州ダラスのショッピングモール。PM14:18。 ハイライト入れた濃いブラウンカラーロングストレートヘアのセクシーな顔立ちの日米ハーフ超絶美女リアン(18)は、よく暇潰しに来るこのモールにまた親友のブラックロングヘア美女のメア(18)とやって来て、手摺りに寄りかかりながらお喋りして屯っていた。 「最近さ、不気味なバートリー(科学の先公)がエロい目で見てくるんだよね」 リアンが手摺りに背中越しに両肘で寄りかかりながら昨日も起きた出来事を話す。 「それは気持ち悪いわね」 メアが手摺りに前屈みに両腕で寄りかかって吹き抜け側を見ながら顔を軽く歪めて言う。 「まじで気持ち悪いわよ。舐めるような視線で見てくるのよ。 どうすればいいと思う?」 「ひと睨みして言ってやればいいのよ。【ヘイ 不気味なバートリー これ以上変態な目つきで見てくるならその目ん玉抉り取って鴨池に投げ捨てるわよ】って」 リアンがンフフっと笑う。 「【ついでに気持ち悪いその不気味な笑い方やめろ】って」 「銃で撃ち殺そうと思ってるんだけど、いい?」 「それも1つの手ね。荒野に下着見せて誘って撃ち殺しなよ。死体処理手伝うから。死体無ければ殺人立証できないのよ。知ってた? あっ」 メアが1階に現れた、リアンが好意を抱いている校内一の超絶ハンサムガイを見て声をあげる。 「リアンの大好きなレゼル。 とアバズレハニル」 リアンが振り向いて見下ろすと、背の高い誠実感に溢れたミディアムブロンドヘアの意中のレゼルが今し方転んだ女の子を介抱するのが見える。 「プロムに誘われた?」 「NO」 ブロンドヘアのハニルが女の子を案ずる振りをしてレゼルに良い子振りして見せるのをリアンが見ながら答える。 「アイツ先殺した方がいいんじゃない?邪魔でしょ」 「かもね」 リアンが見つめていると、4階に上がってきた同校の低俗男子たちがブーツにタイトなミニスカにタイトなブランドシャツを着たナイスバディなセクシー美女を見て言う。 「リアンだ」 リアンに突撃し、男子たちが声かける。 「そこの可愛いお2人さん。暇してる〜?」 リアンとメアが振り向き、低俗連中を見る。 「暇なら遊ぼうぜ。いいヤクあるんだよ。家に来いよ ぶっ飛べるぜ」 「勝手にぶっ飛んでなよ」 メアが煙たがるように言うもしつこく誘われる。 「マジでスゲェーんだって。世界が変わるんだよ」 リアンの生脚とFカップの胸と柔らかそうなヒップをスケベ男子たちが眺めながらワンチャンねーかなと下心を抱きながら話す。 「一発試す価値あるからさ、行こうぜ」 「ファックオフ」 リアンがまるっきり興味無し気に言い放ち、我慢できずに下劣のピートが腰を振って言う。 「ハメハメしようぜリアン」 「あんたと寝るくらいなら、メアと寝る」 リアンが親友のメアを抱き寄せながら言う。 「ワオ」 メアがドギマギして、興奮するピート。 「ならその様子特等席で見学したい!20ドル払う!」 「おれも!」 「オプションでーー」 リアンとメアはヤることしか頭にない連中に背を向けて離れて行く。 「アタックしに行こうよ」 「不気味なバートリーに?」 「違うわよ レゼルに。リアンが告れば間違いなく付き合える。断言する」 「保証してくれるの?」 「保証する。付き合える。アバズレハニルから奪い取るのよ。今!」 「今?」 「今!もう待ってるだけじゃダメよ!自分から行かなきゃ!欲しい物は掴み取るのよ 行くわよ!」 「ちょっと待ってよーー」 突如悲鳴があがり、リアンとメアが振り向く。 「グゥアアアア!」 「助けてッーー」 男が主婦に猛烈に襲いかかっていて、激しく滅多打ちにしている光景に絶句するリアンとメア。 顔面血だらけになって殴り殺されるママに子供が泣き叫び、この地域にも広がってきた《ウイルス》に空気感染した人々が化け物に変貌してゆき、リアンとメアが見回しながら激しく狼狽る。 「何!?」 リアンたち十数人を残して変貌した者達は、殺すべく標的としてリアンたち人間を見境なく襲い出す。 「ヤバい!逃げよッ!」 メアと共にリアンが逃げ出し、エスカレーターの方へと向かう。 がーー 「グゥアアアア!」 先から感染者(ランナー)が走り迫ってきて、メアが悲鳴をあげる。 「こっち!」 リアンがメアを引き連れて非常口へと駆け出す。 とーー 「グゥアアアア!」 別のランナーが傍の和グッズ店から飛び出してきてメアに襲いかかった。 「きゃあ!」 「メア!」 凄い力で振られた腕に殴りつけられたメアが倒れ込んで、悲鳴をあげるメアにランナーがさらに襲いかかる。 リアンがとっさに店前に置いてある木刀を掴み取って思い切りランナーの頭に振り下ろす。 頭が割れて脳にダメージを受けた感染者は倒れて動かなくなった。 「大丈夫っ!?」 リアンがメアの腕の痛々しい防御創を見ながら助け起こす。 「鉄パイプで殴りつけられたみたいに痛いわ・・」 「とにかく逃げよ!」 リアンはメアを引き連れて非常口へとドアを開けて飛び込み、非常階段を駆け下りて行く。
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