パンデミック

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街は感染者で溢れ返っていた。 不感染の人たちが悲鳴を上げながら必死に逃げ惑い、或いは捕まって八つ裂きにされている。 リアンは感染者たちを巧みに避けながら街から出るメインストリートを飛ばして行き、メアが後ろから言う。 「化物だらけだわ!」 「グゥアアアア!」 リアンはまた一体避わして、後を全力疾走で追い駆ける感染者たち。 「シット!」 リアンが行先を見てブレーキをかける。 大型トラックが横転し、乗り捨てられた車が行先を塞いでいて通れそうになかった。 「通れないわ!」 「グゥアアアアー!!!」 感染者たちが前後から大勢で押し寄せてくる。 「来るわリアン!」 「ファック!」 リアンはハンドル切って急発進させて行き、路地に逃げ込む。 ランナーたちが我先にと路地に雪崩れ込んで追っ駆けてくる。 「振り切って!」 メアが叫ぶ。 とーー 「シット!」 先からラッシャーが唸りながら激走して来るのを見てリアンが悪態をつく。 メアが行先を見て息を呑み、リアンは意を決してさらに速度を上げて行く。 「ちょっとリアン!ぶつかるわ!」 唸りながら突撃してくるラッシャーをリアンがギリで避わして行き、リアン&メアは路地を抜けて別の通りに出て行き、感染者たちが蔓延っている街から出るルートを走行して行く。 「助けてーッ!」 感染者たちに取り囲まれた車内で母子が恐怖に慄き、側を通過しながらメアが振り向く。 「キャアアアアーー」 ガラスが破られて母子共に無惨に殺されるのをメアが見て惨劇に目を瞑り、酷い悪夢の中にいると嘆く。 リアンがひたすら障害物を避けながら飛ばしていると、ヘリが先に墜落してきた。 「オウ!」 リアンは目を見張りながら炎上爆破するヘリを避けて行く。 とーー 車陰から子供が現れた。 「キャッーー」 リアンは避け切れずにメアと共に転倒する。 「痛っ・・」 リアンは打った肘を見ながら身を起こし、メアを振り向く。 「大丈夫メア・・!?」 「うん・・」 メアは擦りむいた足を身を起こして見ながら応える。 「グゥアァ」 感染して《ウォーカー》となった子供が唸りながら近づいてきて、リアンが振り向く。 「グゥアア」 さらに周りから寄ってくるウォーカーたちを見回すリアン。 「シット・・!メア逃げるわよ!」 メアも囲まれ出していることに気づいて恐怖に短く悲鳴して急いで立ち上がる。 「グゥアアアア!」 ランナーが事故現場に全力疾走してきて、爆煙の中から現れてリアンに飛びつく。 「キャアッ!」 「リアンッ!」 ランナーに押し倒されたリアンは必死に抵抗する。 もう人とは思えない醜悪な顔して歯を剥き出しにして襲いかかる感染者。 「このッーー キャアッ!」 助けようとしたメアにウォーカーが襲いかかって、悲鳴しながら激しく抵抗するメア。 2人は絶体絶命のピンチに陥り、そしてーー ブオォン! シボレー・カマロ SSが勢いよくウォーカーを弾き飛ばしながら乗りつけ、行く道阻まれて迂回してきたレゼルが飛び降りてきてランナーを思い切り蹴り突けた。 「グゥアア!」 ランナーが道路に転がる。 「大丈夫かっ?」 レゼルがリアンを助け起こし、メアは自力でウォーカーを振り払う。 「グゥアアア!」 立ち上がったランナーが再び襲いかかってきて、レゼルが思い切りブン殴って2人に言う。 「乗れッ!」 リアンはメアと急いで車に乗り込む。 「グゥアア!」 三度迫るランナーに空手をかじってたレゼルは後ろ回し蹴りを側頭部に炸裂させてブッ倒し、急いで運転席に乗り込んでギアを換えて急発進させる。 四度起き上がってきたランナーが右側ボディに飛びつき、助手席のリアンが振り向く。 「グゥアア!」 「しつこい野朗だッ」 レゼルがハンドル切って車にぶつけて削ぎ落として行く。
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