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十五歳の春。卒業式の前日に、十年後の自分へ宛てた手紙を書いた。私達のクラスだけのタイムカプセル。 「ねぇ、何て書いたの?」 この制服で二人で帰る最後の道。 「教えない」 屈託のない笑顔を向ける彼は、楽しそうに続けた。 「十年後のお楽しみだろ」 あの頃の私達はまだ子供で、夢みることを畏れないで、輝きに満ちた未来を当然の様に描いていた。 愛も恋も永遠も、全て叶うものなのだと、そう信じて。
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